弊社の創業は、1914年(大正3年・創業105年)となっております。当時の文献によりますと、日奈久の町には3軒ほどの麹屋があったように記されております。
その頃は、味噌の販売をするというよりも、お客様の米を預かって味噌に加工したり、麹を作ってお渡しする商売だったようです。それが戦後になり、袋入りのものが主流になりつつある傾向を見て、現在のような包装形態に推移してきました。
味に関しましては、量り売り時代のお客様の声をしっかりと受け止め、「これはうまい」「これなら売れる」といったお褒めの言葉頂き作り上げた、いわば八代の皆様に及第点をいただいた味噌だと自負しております。それは現在でも麦味噌や米味噌に受け継がれております。
その後時代の流れ、お客様の嗜好の変化に合わせまして、麦の粒味噌、米と麦の麹を混ぜた合せ味噌の製造も始め、ご好評を頂いております。その中でもちょっと奥になって見えにくい、なまこ壁の蔵があります。現在は麹用の室として使用していますが、先代から伝え聞くに、大正時代の大火災の際に、この蔵だけが残ったと聞いております。
最後に、弊社の理念としましては、「街が変わり、そこを歩く人々が変わっても、私たちは変わらない。」という気持ちを持ち続けることだと考えております。